続・実験的ブログ導入

ブログ(冷し中華風に)始めました

おとうさんがいっぱい

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何故かふと突然、小さい頃に読んだ本を思い出した。

それがこの「おとうさんがいっぱい」だ。
小学校の図書館で借りた児童文庫なのだが、
とにかく読んだ後に変な気持ち悪さが強烈に残ったことだけ覚えていて、
内容は詳しく覚えていないかった。

そこでちょっと検索してみたら、
トラウマ児童文学として多数紹介されていた。
http://media.excite.co.jp/book/news/topics/124/p02.html
http://www.ne.jp/asahi/zukidon/haruka/zukizukidouwa/otousan.html

こうなると気になって仕方ないので買ってきて読んだ。(絶版になってなくてよかった。)
内容としては短編集で5つの話が収録されている。

・ゆめであいましょう
  夢を見るたびに同じ男の子と出会う話。
  夢を見るたびその男の子は成長しているのだが、
  その正体に気がついたときには夢と現実がわからなくなり…。
・どこにもゆけない道
  ふと、いつもとは違う道で帰ってみたところ、
  いつもの我が家に帰れなくなってしまう話。
  試行錯誤していろいろなルートを通り、
  ようやくいつもの我が家に帰ったと思ったら…。
・ぼくは五階で
  五階にある自分の部屋から外に出られなくなる話。
  どんな手を使っても気がつくと自分の家の部屋に戻っている。
  頼みは両親の帰りだが…。
・おとうさんがいっぱい
  ある日突然父親が3人に増えてしまう話。
  全国のあらゆる父親が増えてしまい、混乱に陥る。
  政府の対策によって一人の父親にしぼられ、
  いつもの家族が戻ったと思ったが…。
・かべは知っていた
  夫婦げんかをした父親が壁に入って出てこないといいだして、
  冗談でからかっていたら本当に壁に吸い込まれてしまう話。
  母親を心配させようと暫く壁の中で生活するのだが…。

改めて読んでみて、世にも奇妙な物語に近いと感じた。
やはり面白くてダークな世界感。
どの話もごく普通の日常からいきなり自分だけ異次元に飛ばされてしまう話で、
自分がこの主人公と同じになったらどうしようとか、
今生きているこの世界は本物なのかとか考えてしまう。

そりゃ小さい子が読んだらトラウマになりかねませんよ。